トルドー氏がトランプ氏と電話協議 G7首脳会議前に声明巡る調整か

2025/02/23 19:03 

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 主要7カ国(G7)の議長国・カナダのトルドー首相は22日、ウクライナ情勢を巡ってトランプ米大統領と電話で協議した。G7はロシアによるウクライナ侵攻から3年となる24日に首脳によるオンライン会議を開く。しかし、ロシア寄りの姿勢を鮮明にするトランプ氏と他の首脳らとの足並みは乱れており、会議でとりまとめる声明案などについて意見調整を図ったとみられる。

 両政府はそれぞれの声明で、「月曜日のG7のバーチャル会議に先立ち、両首脳はウクライナ情勢について協議した」(カナダ)、「(両首脳の)話題はウクライナ侵攻と戦争から3年を迎える月曜日のG7電話協議」(米国)などと触れたが、詳細は明かさなかった。

 G7首脳のオンライン会議に関しては、英紙フィナンシャル・タイムズなどが20日、会議後に発表する声明について、米国が、これまでの声明や文書で繰り返し使われてきた「ロシアの侵略」や「侵略者」の言葉を盛り込むことを拒んでいると報じた。米国は代わりに「紛争」などの表現にするよう求めているという。

 トランプ氏は2月12日に戦争終結に向けたロシア側との交渉を始めた。戦争に関するプーチン氏の責任には言及を避け、逆にウクライナのゼレンスキー大統領について「戦争を始めるべきではなかった」など責任があると受け取れる発言を繰り返している。

 ただし、ロシアによる戦争の責任を曖昧にする表現になれば、ロシアの主張をG7が受け入れる形になる。表現を巡る水面下の調整は続いている模様で、G7の結束はトランプ氏の言動によって大きく揺らいでいる。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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