「これは始まりに過ぎない」 イスラエル、ガザへの攻撃継続を表明
イスラエルのネタニヤフ首相は18日に演説し、同日実施したパレスチナ自治区ガザ地区への大規模な空爆について「攻撃をますます強化する。これは始まりに過ぎない」と述べ、攻撃を続ける方針を明らかにした。さらに、今後の停戦交渉はイスラム組織ハマスとの戦闘下のみで行われるという考えも表明。再開した戦闘の継続を示唆した形で、中東情勢が緊迫するのは必至だ。
ネタニヤフ氏は、ハマスが「壊滅」するまで軍事作戦を継続すると表明。軍事圧力は人質解放のための重要な条件だと述べた。戦闘を再開させたのは、ハマスが、停戦の「第1段階」を延長する米国の提案の受け入れを拒否したからだと主張した。
戦闘再開を受けて、パレスチナ強硬派のベングビール前国家治安相が率いる極右政党は18日、連立政権に復帰すると発表した。同党は1月の停戦発効後に連立政権から離脱していた。戦闘再開は政権安定のための政治的意図があったとの指摘も出ているが、ネタニヤフ氏は「完全な虚偽だ」と否定した。
これに先立ち、ハマスの報道官は「米国の提案は交渉のテーブルの上にあり、拒否せずに前向きに対応した」と主張。「我々の関心は停戦合意の継続にあり、仲介国と柔軟に対応する」と述べた。
一方、ハマスに連帯するイエメンの親イラン武装組織フーシ派は18日、イスラエル南部に向けて弾道ミサイルを発射した。迎撃されたが、フーシ派は、イスラエルがガザでの戦闘をやめない限り攻撃範囲を広げると表明した。
イスラエルは18日、ガザ地区全域で大規模な空爆を実施し、400人以上が死亡した。一部の住民に避難命令を出しており、新たな地上作戦に踏み切る可能性も指摘されている。
停戦合意は1月19日に発効。「第1段階」である42日間の停戦が3月1日に期限切れとなった後、第1段階の延長を求めるイスラエルと、恒久的な停戦に向けた「第2段階」に進むことを要求するハマスとの間で交渉は難航していた。【エルサレム松岡大地】
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