トランプ政権、国防費13%増を要求 国家防衛戦略の策定も開始

2025/05/03 14:49 

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 米ホワイトハウスは2日、2026会計年度(25年10月~26年9月)の予算策定に向けて、国防費を前年度比13・4%増の1兆119億ドル(約145兆7000億円)要求すると明らかにした。「ゴールデンドーム(黄金の円天井)」と称する最先端のミサイル防衛体制や次世代戦闘機F47の開発、核戦力の近代化などに振り向けるという。

 予算編成権は連邦議会にあり、今後、予算策定の協議が本格化する。ただ、トランプ政権の予算要求は、本予算を据え置きながら、補正予算の「見込み額」を上乗せすることで、国防費を増やす形になっている。与党・共和党からは、物価高(インフレ)を考慮すると「本予算は実質的な削減になっている」との批判が出ており、今後の協議で増額を求める声が出る可能性がある。

 一方、米国防総省は2日、ヘグセス国防長官が国防政策全般の指針「国家防衛戦略」(NDS)の策定を1日付で指示したと発表した。コルビー国防次官(政策担当)が主導し、8月31日までに最終案を提出するよう求めている。

 ヘグセス氏は、トランプ大統領が掲げる「米国第一主義」と「力による平和」を迅速に推進し、「米国第一の防衛戦略に向けて、急速にNDSを変化させる」としている。同省のパーネル報道官は声明で、国境を含む米本土防衛やインド太平洋地域における対中国抑止をNDSの優先事項に挙げたほか、同盟・パートナー国の防衛負担増にも言及した。

 前回のNDSはバイデン政権が22年10月に公表。中国やロシアを抑止するため、同盟・パートナー国と連携して「統合抑止」を推進すると強調していた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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