トランプ氏、公共ラジオ・放送への政府資金支出を停止 圧力を強化

2025/05/03 15:07 

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 トランプ米大統領は1日、公共ラジオNPRと公共放送PBSに対する政府資金の支出を停止する大統領令に署名した。トランプ氏は政権と見解の異なるメディアに対し、「偏向している」などと非難して圧力を強めている。

 両社は米国を代表する公共放送。AP通信によると米公共放送社(CPB)を通じて年間計約5億ドル(約720億円)の公的資金が支出されていたという。ホワイトハウスは「両社は公平で正確で偏りのない視点を納税者に伝えていない」と主張している。

 NPRは2日、「我々は米国民に必要不可欠なニュースや情報などを提供する権利を守るため、全ての手段を用いてこの大統領令に立ち向かう」とする声明を出した。

 トランプ政権によるメディアへの圧力を巡っては、3月に政権が「反トランプ的だ」と敵視する政府系メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)を傘下に持つ国際放送機関・米グローバルメディア局(USAGM)の機能縮小を決定。VOAへの資金が停止され、1300人以上の記者らが休職に追い込まれた。

 首都ワシントンの連邦地裁は先月、VOAを巡る政権の対応は違法と判断し、放送を再開させるよう命じた。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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