「お前はいつか教皇に」 60年以上前の兄の冗談現実に レオ14世

2025/05/09 16:43 

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 「あなたが米国人で最初のローマ教皇になる」。米ABCニュースによると、8日に第267代教皇に選ばれたレオ14世(本名・ロバート・プレボスト氏)は、幼少期を過ごした米中西部イリノイ州で兄や近所の住民から冗談交じりに「予言」されていた。将来の夢が「キリスト教カトリックの神父」だった少年は、60年以上の時を経て、14億人のカトリック信徒のトップに立った。

 「私はあなたのための一司教であり、あなたと共にいる一人のキリスト教徒だ」。レオ14世は8日の選出後の初演説で、4~5世紀に活動した教父アウグスティヌスの言葉を引いて、聖職者としての心構えを語った。

 報道によると、新教皇は3人兄弟の末っ子として育った。1番上の兄ルイさんは新教皇の人柄について「現実的だが、ユーモアのセンスがあり、頭が切れる」と表現した。2番目の兄ジョンさんは弟が米大リーグの地元チーム「シカゴ・ホワイトソックス」のファンだと明かし、「普通の平凡な人間だよ」と評した。

 幼少期に2人の兄が警察や泥棒のマネをする中で「神父役」を演じており、「アイロン台が祭壇だった」(ジョンさん)。ルイさんは「私たちはいつも『お前はいつか教皇になるよ』とからかっていた。近所の住民も同じことを言っていた。60年あまりたった今、どうなったか」と語った。

 今回の教皇選挙(コンクラーベ)が始まる前日の今月6日、ジョンさんはレオ14世と話した。「初の米国人教皇になるかもしれないと思う」と伝えると、レオ14世は「ばかげた話」「ただのうわさ」などとした上で「彼ら(選挙権を持つ枢機卿)が米国人の教皇を選ぶことはないよ」と語っていたという。【浅川大樹】

毎日新聞

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