韓国大統領選で野党候補が3キロの防弾服 「政治ショー」批判も

2025/05/16 07:00 

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 韓国大統領選(6月3日投開票)で、進歩系の野党「共に民主党」から出馬した李在明(イジェミョン)前代表(61)が遊説で防弾服を身に着けている。李氏は過去にも襲われた経験があり、共に民主党は、暗殺やテロを防ぐためだと説明している。

 12日に選挙運動が開始されて以降、李氏が屋外で遊説する際は、警護の警察官らが周囲のビルの上などを双眼鏡で眺め、不審な人物がいないか目を光らせている。12日にソウル市の屋外で開かれた李氏の集会では、李氏が上着を脱いで選挙用のジャンパーに着替える際、ワイシャツの上に身に着けた防弾用のベストがあらわになった。重さは3キロという。

 李氏は歯に衣(きぬ)着せぬ発言が物議を醸すことがあり、嫌悪感を示す市民も少なくない。2024年1月には南東部・釜山で男性に切りつけられ、軽傷を負った。警察は3月、「李氏が危害を加えられる恐れがある」と共に民主党から要請を受け、当時党代表だった李氏の身辺警護を始めていた。

 一方、大統領選に金文洙(キムムンス)・前雇用労働相(73)を擁立した保守系与党「国民の力」からは「自らを被害者に見立てる政治的なショーだ」(国会議員の郭圭沢氏)といった反発が出ている。

 聯合ニュースによると、警察は11日までにインターネット上で李氏への脅迫を7件把握し、捜査を進めている。李氏の陣営は、集会などでは全身を防護できる防弾ガラスの設置も検討している。

 警察は金氏と保守系野党「改革新党」から出馬した李俊錫(イジュンソク)氏(40)の演説でも、警察官を配置して警護を強化している。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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