イランとイスラエル、きょう戦闘終結へ ぎりぎりで再衝突を回避

2025/06/25 05:30 

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 イスラエルとイランの交戦は日本時間25日午後、「公式な停戦」を迎え、戦争が完全に終結する見通しだ。両国は24日、互いに相手国の「停戦合意違反」を非難し、イスラエル軍がイランを空爆するなど、根深い不信感を早くも露呈した。ただ、その後は目立った衝突は報告されておらず、停戦は維持されているようだ。

 イスラエルは24日、ネタニヤフ首相が停戦受け入れを表明したが、その後、イランがミサイルを発射したと非難。イランは否定したものの、イスラエル軍はイランの首都テヘラン近郊のレーダー施設を空爆した。

 イスラエル首相府や米ニュースサイト「アクシオス」などによると、イランは停戦発効後、2回にわたり計3発のミサイルをイスラエルに向けて発射した。いずれも迎撃されたか、空き地に着弾しており、被害はなかった。だが、イスラエルのカッツ国防相は軍に対し、大規模な報復攻撃を指示し、多数の戦闘機がイランに向かった。

 トランプ米大統領は報道陣に対し、「誤って発射された可能性のあるロケット弾1発のために、イスラエルが出撃したのは好ましくない」といらだちを見せた。その後、ソーシャルメディアへの投稿で「イスラエルよ、その爆弾を落とすな」と警告し、ネタニヤフ氏にも電話して攻撃をやめるよう求めた。

 イスラエル側は「完全に中止することはできない」としつつ、攻撃の規模を大幅に縮小し、レーダー施設の空爆にとどめたという。

 戦闘の再燃はぎりぎりで回避された形だが、両国間の不信は根強い。

 ロイター通信によると、イスラエル軍のザミール参謀総長は24日、「重要な節目を迎えたが、対イラン作戦は終わっていない」と語り、警戒を続ける姿勢を強調。イラン最高安全保障委員会も「敵の言葉は少しも信用していない。引き金は指にかけたままだ」と警告した。イランの核開発問題を巡る外交交渉の行方などによっては、再び武力衝突が起きる懸念もくすぶっている。

 一方、イランメディアによると、ペゼシュキアン大統領は24日、カタールのタミム首長やオマーンのハイサム国王と電話協議。カタールの米軍基地へのミサイル攻撃については、あくまでも「米国への報復」だったと説明し、近隣諸国との対立を望んでいないことを強調した。イランの攻撃に対し、湾岸諸国からは非難の声が上がっていた。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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