マスク氏、新党「アメリカ党」結成を発表 「自由を取り戻す」

2025/07/06 10:13 

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 米実業家イーロン・マスク氏は5日、新党「アメリカ党」を結成したとX(ツイッター)で表明した。マスク氏は、トランプ米大統領が目玉政策として掲げ、4日に成立した大型減税を含む法律を、財政悪化を招くとして繰り返し批判してきた。来年11月の中間選挙で議席を獲得し、共和、民主の2大政党が拮抗(きっこう)する中でキャスチングボートを握ることを狙っているとみられる。

 マスク氏は投稿で、共和党がトランプ氏の強い影響力の下、党内外の反対を押し切って法律を成立させたことについて「我々は民主主義体制ではなく、無駄遣いと汚職で破産しかけた一党支配体制の下にある」と批判。「自由を取り戻す」ために新党を結成したと説明した。具体的なメンバーや掲げる政策などは不明だ。

 米国では小選挙区制がとられており、2大政党に所属していない政党の候補者が議席を得るのは難しい。しかし、マスク氏は一部の保守層に人気があり、資金力も絶大だ。Xへの4日の投稿では、上院で2~3選挙区、下院で8~10選挙区に絞って活動し、議席獲得を目指す可能性を示唆した。

 連邦議会は現在、上下両院とも共和党が多数を占めている。ただ、いずれも民主党(上院は民主党系無所属を含む)との議席差はわずかだ。新党が数議席でも獲得すれば、法案や人事案などの採決を巡って、大きな影響力を発揮する可能性がある。

 マスク氏は、第2次トランプ政権の発足に伴い、連邦政府機関の縮小や人員削減を目指す「政府効率化省(DOGE)」を事実上率いていた。しかし、5月に政権を離脱すると、大型減税を強く批判し、トランプ氏と激しく対立。法律に賛成した共和党議員を落選させるための運動を展開する意向を示していた。

 さらに4日、新党設立の賛否を問うアンケートをXで実施。約125万件の回答があり、賛成が65・4%、反対が34・6%だったという。マスク氏は結果を受け、「2対1の割合で、皆さんは新しい政党を望んでおり、その願いはかなうだろう!」と述べていた。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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