ドイツ政府、ウクライナ支援用に米国からパトリオット購入を検討

2025/07/06 18:19 

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 米国がウクライナに対し、一部兵器の供給を一時停止したことを受け、ドイツ政府が穴埋めの支援に乗り出す構えを見せている。独政府は4日の記者会見で、防空システム「パトリオット」を米国から購入してウクライナへ供与する案を検討中と明らかにした。

 独メディアによると、ドイツはこれまでに、自国が所有するパトリオット3基をウクライナに供与した。米国からの購入で、2基の追加供与を目指すという。

 米メディアの報道では、米国が供給を停止しているのはパトリオット用のミサイルなどで、防空態勢への悪影響が懸念されている。独政府のコルネリウス報道官は4日、「隙間(すきま)を埋める方法はいろいろある」と述べ、ウクライナの防空強化のため「集中的に議論している」と説明した。

 5月に発足したメルツ政権は、積極的なウクライナ支援を掲げる。ピストリウス国防相は6月、ウクライナ支援国の会合に際して、自国が保有するパトリオットはこれ以上供与できないが、関係国が供与すれば、その費用を負担するとの考えを記者団に示していた。

 独有力誌「シュピーゲル」は、メルツ首相がこの件に関し、3日にトランプ米大統領と電話協議したと報じた。具体的な決定には至っていないという。

 一方、ウクライナとデンマークは4日、デンマーク国内にウクライナ企業の無人航空機(ドローン)生産拠点を設ける協定に署名した。報道によると、ウクライナの防衛産業の外国進出は初という。生産されたドローンはウクライナ軍に供給される。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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