トランプ氏、「重大な声明」発表へ ウクライナに攻撃用兵器供与か

2025/07/14 16:05 

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 トランプ米大統領は14日、ウクライナ侵攻を続けるロシアに関して「重大な声明」を出す。米メディアは13日、声明はウクライナへの兵器供与の新たな計画で、攻撃用兵器が含まれる見通しだと報じた。仮に実施されれば、紛争エスカレートを避けるために防御用兵器だけを提供するとしてきたトランプ政権の大きな方針転換になる。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、新たな計画はトランプ氏が14日に北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談するのに合わせて公表される。攻撃用兵器として、首都モスクワなどロシア領の奥深くにある目標を攻撃できる長距離ミサイルが含まれる可能性がある。米国やウクライナ、欧州の当局者らには、これらの兵器によって戦争の流れを変え、プーチン氏の停戦に関する計算を改めさせることへの期待があるという。

 トランプ氏は10日のNBCニュースの電話インタビューで、14日にロシアに関して「重大な声明」を出すと語っていた。

 トランプ氏は13日、首都ワシントン近郊で記者団の取材に応じ、ウクライナに防空システム「パトリオット」を追加供与する考えを明かした。供与する数は「決まっていない」としたが、ウクライナを守るために必要なものだとの認識を示した。費用は欧州連合(EU)が負担するという。14日の自身の発表については「明日どうなるか見てみよう」と説明を避けた。

 一方、プーチン氏については「非常に失望している。口では優しいが、夜になると皆を爆撃する。それは好きではない」と改めて批判した。

 トランプ氏は大統領に返り咲いて以降、プーチン氏と6回にわたって電話で協議してきた。しかし、今月3日の協議では、軍事行動の早期停止を求めたトランプ氏に対し、プーチン氏がこれに応じない姿勢を示したとされる。トランプ氏は8日の閣議で「我々はプーチンから数多くのでたらめを聞かされている」「プーチンに不満を持っている。彼は多くの人々を殺しているからだ」などと批判のトーンを強めていた。

 ウクライナへの武器支援を巡っては、トランプ政権は7月初めに一部の兵器供給を停止したが、トランプ氏は8日に再開を承認したことを明かした。また、パトリオットの追加供与については、9日に「ウクライナは激しい攻撃に遭い、死を防ぎたいと思っている。とても高価だが、検討している」と記者団に語っていた。

 また、米CBSテレビは12日、トランプ氏がウクライナへの新たな資金援助を検討していると報じた。実現すれば、トランプ氏が1月に返り咲いて以来初めて。バイデン前政権下で残された38億5000万ドル(約5700億円)などを利用する可能性があるという。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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