政権奪取への「準備」訴え 英で支持率首位、反移民リフォーム党大会

2025/09/06 06:28 

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 英国の右派ポピュリスト政党「リフォームUK」の党大会が5日、中部バーミンガムで2日間の日程で始まった。移民に厳格なリフォームは国民の反移民感情などを背景に急伸しており、政党別支持率でトップに立つ。党大会には大企業がスポンサーとして名を連ね、注目度の高まりを印象付けた。ファラージ党首は演説で「我々は台頭する政党だ」と強調し、政権奪取に向けた「準備」を支持者に呼びかけた。

 リフォームによると、党大会には2日間で昨年の3倍となる1万2000人以上が参加する予定。来場者の大半は白人だ。パネルディスカッションでは、政権奪取の可能性やその影響などが議論され、保守党の重鎮で元閣僚のゴーブ氏やリースモグ氏も登壇する。気候変動に懐疑的な視点での討論も開かれる。

 リフォームは不法移民の大規模送還を掲げ、特に英仏海峡を小型ボートで渡ってくる難民申請者の阻止を主張する。

 ファラージ氏は演説で「政権を取れば、2週間以内にボートを止める」と宣言した。また、温室効果ガス排出のネットゼロ(実質ゼロ)目標を撤廃し、石油・天然ガスの増産を進めると公約。親交があるトランプ米大統領のスローガンを模した「英国を再び偉大に」の掛け声も上げた。

 リフォームは昨年7月の下院総選挙で初めて議席を得て5議席を獲得し、今年5月の地方選では2大政党の労働党、保守党を抑えて大勝した。

 英調査会社ユーガブの世論調査によると、9月1日時点のリフォームの支持率は28%で首位に立ち、労働党の20%、保守党の17%を上回る。党員数も約2万4000人と、この1年で3倍に増えた。

 党大会のスポンサーには、第3滑走路の整備計画を進めるヒースロー空港(ロンドン)の運営会社などが付いた。

 一方で、英紙フィナンシャル・タイムズは、大半の大企業のトップは党大会への参加を見送ったと報じた。分断的な政党を支持していると受け止められるリスクを避けるためだという。【バーミンガム福永方人】

毎日新聞

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