トランプ氏「この名称こそ適切だ」 「戦争省」改称の大統領令に署名

2025/09/06 12:04 

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 トランプ米大統領は5日、国防総省が「戦争省」という名称も使うことができるようにする大統領令に署名した。トランプ氏は署名にあたり、二つの世界大戦に勝利した時の名称に戻すとし「世界情勢を踏まえると、この名称こそがはるかに適切だ」と述べた。正式に変更するには連邦議会の承認が必要で、当面は二つの名称が併用される。

 「戦争省(Department of War)」は1789年に設立され、その名称は1947年まで使われた。その後、組織の大規模な再編を経て、現在の「国防総省(Department of Defense)」となった。

 トランプ氏は「我々は(戦争省の時代)、第一次大戦にも第二次大戦にも勝利した。ところが、『ウオーク』に傾倒し、名称を国防総省に変更した」と述べ、名称を戻す必要があると主張した。ウオークは、保守派が性的少数者の権利拡大などに熱心な人たちを「意識高い系」だと侮蔑する意味で使う表現だ。

 これを受け、ヘグセス国防長官は「我々は防御だけでなく攻撃にも取り組む。生ぬるい合法性ではなく最大限の殺傷力を、政治的正しさではなく最大限の破壊効果を追求する」と述べた。大統領令により、ヘグセス氏は「戦争長官」を名乗ることができるようになり、国防総省のホームページもこの日、戦争省に変更された。

 ただし、正式な改称には連邦議会の承認が必要なため、大統領令では戦争省を「第2の名称」と位置づけた。そのうえでヘグセス氏には、改称に必要な立法、行政措置について勧告するよう指示した。【ワシントン西田進一郎】

毎日新聞

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