パレスチナ人医師が来日、講演会 現地難民キャンプの診療所元所長

2025/09/11 09:15 

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 イスラエル占領下の東エルサレムの難民キャンプで活動するパレスチナ人医師、サリーム・アナティ医師が来日し、17日に早稲田奉仕園(東京都新宿区西早稲田2)で「ガザ地区とヨルダン川西岸の現実と未来」と題した講演会を開く。

 パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まってからまもなく2年。イスラエルは支援物資の搬入を制限しつつ軍事作戦を拡大し、国連はガザ市や周辺で飢饉(ききん)の発生を認定している。

 この間、ヨルダン川西岸でも難民キャンプが治安当局に封鎖されるなど住民への圧力が強まり、イスラエル兵や入植者の暴力で死傷者が相次いでいる。

 アナティ医師は東エルサレムのシュファット難民キャンプの診療所元所長で、現在は慈善協会の理事長を務める。今回の講演は、同キャンプを拠点に西岸で医療支援を続けてきた「北海道パレスチナ医療奉仕団」が主催する。猫塚義夫団長は「イスラエルがガザを占領し、西岸も併合するのを許すのか。それとも平和的解決を目指すのか。いま岐路に立っている。現地の状況を知り、解決に向けた力になってほしい」と呼びかけている。

 講演は午後5時半から。参加費は資料代500円(学生無料)。オンライン配信もある。詳細は奉仕団のホームページ(https://hms4p.com/)で。アナティ医師は9月下旬まで日本に滞在し、札幌、仙台、名古屋など全国6都市で計7回の講演を予定している。【小泉大士】

毎日新聞

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