イスラエル、カタール再攻撃を示唆 停戦交渉停滞懸念も強硬姿勢

2025/09/11 07:18 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 イスラエルのネタニヤフ首相は10日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの政治局が事務所を置くカタールに対して「ハマスを追放するのか、裁きにかけるのか、どちらかだ。やらないなら、我々がする」と述べた。カタールへの攻撃で国際社会から非難を浴びているが、強硬姿勢を示すことで、人質を拘束するハマスに圧力をかける狙いがあるとみられる。

 ただ、最大の後ろ盾のトランプ米大統領は9日の攻撃後、カタールのタミム首長らと電話協議し、「二度とこのような事態が起きないと確約した」としている。米国の同盟国のカタールで、ハマス幹部を狙った攻撃を再びできるかは不透明だ。

 カタールのムハンマド首相兼外相は米CNNテレビに対して「湾岸地域全体が危険にさらされている」と指摘し、湾岸アラブ諸国と協議し、イスラエルの攻撃への対応策を取る考えを示した。カタールはガザ地区の停戦交渉の仲介役を担っているが、ムハンマド氏は仲介国としての役割のすべてを見直すと述べており、停戦交渉が停滞する懸念が高まっている。

 ガザ地区の戦闘を巡っては、イスラエル軍は10日もハマスが拠点に使っているとして、北部ガザ市の高層ビルを破壊した。高層ビルの破壊は6日連続。イスラエルメディアによると、ガザ市制圧に向けて、数日以内に地上侵攻が始まる可能性があるという。

 イスラエル軍はさらに10日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が支配する首都サヌアなども空爆。ロイター通信によると、国防省などが標的になり、35人が死亡、131人が負傷した。イスラエル南部の空港が無人航空機の攻撃を受けたことの報復だとしている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

国際

国際一覧>