米国「NATO領土隅々まで防衛」 露の領空侵犯で安保理緊急会合

2025/09/13 10:45 

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 国連安全保障理事会は12日、ロシアの無人航空機(ドローン)がポーランドの領空を侵犯した問題を受け、緊急会合を開いた。米欧の理事国を中心にロシアへの非難が相次ぎ、米国は、ポーランドも加盟する北大西洋条約機構(NATO)の「領土の隅々まで防衛する」と全面的な関与を強調した。ロシアは領空侵犯を否定している。

 会合に先立ち、日本を含む約50カ国が共同声明を発表し、ロシアの領空侵犯は国際法と国連憲章への「明白な違反」だと非難。ウクライナ侵攻の即時停止と、さらなる挑発行為を控えるよう求めている。

 米国のシェイ国連臨時代理大使は会合で、ロシアのウクライナ侵攻の停戦交渉を仲介する米国に「著しく敬意を欠いた」行為だと指摘。NATO加盟国が、自国の安全や領土保全が脅かされていると判断した場合に発動を要請する北大西洋条約第4条に基づく対応を支持した。

 ポーランドからはボサツキ外務副大臣が出席し、「ウクライナと連帯し、主権と領土保全の原則を守る決意を堅持する」と強調。安保理に対し、ロシアの「犯罪的な行為」に対する一致した対応を求めた。

 一方、ロシアのネベンジャ国連大使は「ドローンの最大射程では物理的にポーランド領土に到達することは不可能だ」と主張し、領空侵犯を否定。「ポーランドとの緊張を高めることに興味はない」と述べた。中国はロシアに配慮し直接的な批判を避け、すべての当事者にエスカレーションの回避を呼びかけた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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