日本、パレスチナ国家承認の見送り表明 岩屋外相「総合的に判断」

2025/09/19 21:25 

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 岩屋毅外相は19日の記者会見で、パレスチナの国家承認を見送る方針を表明した。米ニューヨークで22日に開かれるパレスチナに関する首脳級会合に出席し、方針を説明する。イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区に地上侵攻する中、承認はイスラエルの態度を硬化させると判断。イスラエルに影響力が行使できる米国への働きかけを優先した。イスラエルが強硬姿勢を強める場合は、パレスチナの国家承認など「新たな行動」を取る考えも示した。

 岩屋氏は会見に先立ち、米国、イスラエル、パレスチナの外相とそれぞれ電話協議し、日本の方針を伝達。イスラエルには即時停戦を要求し、米側にはイスラエルへの働きかけを求めた。

 岩屋氏は「最も重要なのはパレスチナが持続可能な形で存在し、イスラエルと共存することだ。何が実際の解決につながるかを総合的に判断した」と強調。「イスラエルが(パレスチナと平和的に共存する)2国家解決実現を閉ざす更なる行動を取る場合、日本は新たな行動を取る。国家承認を含めあらゆる選択肢を排除せず検討する」と述べた。

 岩屋氏は22~27日に国連総会に出席するため、米ニューヨークを訪問。22日のパレスチナに関する首脳級会合に日本代表として出席する。仏英、カナダなどはイスラエルに圧力をかけるため、国連総会に合わせて承認する方針。【田所柳子】

毎日新聞

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