対イラン制裁復活延期の中露決議案を安保理で採決へ 土壇場交渉続く

2025/09/26 07:46 

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 国連安全保障理事会は26日、核開発をめぐる対イラン制裁の復活を延期する決議案を採決にかける。イランと関係を深める常任理事国ロシアと中国が提案した。否決されると、米東部時間27日午後8時(日本時間28日午前9時)に制裁は再発動される見通し。

 英国、フランス、ドイツの3カ国は8月下旬、イランが2015年に結んだ核合意の履行違反があるとして、国連による制裁の復活措置(スナップバック)を通知した。その後、安保理は対イラン制裁解除を続けるための決議案を否決し、制裁が復活する公算が大きくなっていた。

 中露の決議案は、制裁解除を6カ月延長する内容。可決には15理事国のうち少なくとも9カ国の賛成と、常任理事国である米国と英仏が拒否権を行使しないことが条件となる。

 国連総会に合わせて米ニューヨークを訪れたイランのペゼシュキアン大統領らは、制裁の回避に向けた交渉を続けている。ペゼシュキアン氏と24日に会談したマクロン仏大統領は、X(ツイッター)に「合意は依然として可能だ。残り時間はわずか。我々が提示した条件に応じるかはイラン次第だ」と投稿した。

 英仏独の3カ国はイランに対し、制裁回避の条件として、国際原子力機関(IAEA)の査察官の受け入れ▽備蓄濃縮ウランに関する透明性の確保▽核開発の制限に関する交渉の即時再開――の3点を迫っている。

 制裁が復活した場合、イランはIAEAとの協力停止など強硬姿勢を強めるおそれがある。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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