「私たちの土地を離れない」 パレスチナ議長が国連総会でビデオ演説

2025/09/26 07:25 

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 パレスチナ自治政府のアッバス議長は25日、米ニューヨークで開かれている国連総会の一般討論でビデオ演説した。イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区での行動を「戦争犯罪」と非難。国家承認の広がりに謝意を伝え、「パレスチナは我々のものだ。私たちの土地を離れない」と強調した。

 アッバス氏は演説の冒頭で、ガザの被害状況について「20世紀、21世紀における最も恐ろしい人道的悲劇の一つとして、歴史書に記録される」と述べた。

 パレスチナはガザを実効支配してきたイスラム組織ハマスと、西岸のパレスチナ自治政府で分断状態にある。アッバス氏は「ガザはパレスチナ国家の不可分な一部だ。我々は、統治や治安についてすべての責任を負う用意がある」と述べ、自治政府によるガザの戦後統治の正当性を強調。2023年10月のハマスによるイスラエル急襲を非難し、人質の解放と武装解除を改めて呼びかけた。「戦争終結から1年以内」に評議会選挙を実施するとも述べた。

 米国がパレスチナ代表団へのビザ(査証)発給を拒否し、アッバス氏は映像を流す形式での演説が例外的に認められた。国連総会は決議で米国の対応に「遺憾」を示した。

 イスラエルのネタニヤフ首相の一般討論演説は26日に予定されている。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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