イスラエル軍、ガザ市を包囲 「市内に残ればテロリスト」と国防相

2025/10/02 07:02 

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 パレスチナ自治区ガザ地区の最大都市ガザ市の制圧作戦を巡り、イスラエルのカッツ国防相は1日の声明で、ガザ市をほぼ包囲したと明らかにした。イスラエルメディアが報じた。

 カッツ氏は「ガザ市内に残るのはテロリストとテロの支援者だけになる」とも主張し、ガザ市で攻勢を強める意向を示した。ただ、市内には多くの民間人もとどまっており、被害拡大への懸念が強まっている。

 カッツ氏によると、イスラエル軍はガザ地区を南北に分断するネツァリム回廊の一部を制圧した。南部に向かう住民は今後、イスラエル軍の検問所を通る必要があるという。カッツ氏は「ガザ市の住民が避難する最後のチャンスだ」とも強調した。

 一方、イスラム組織ハマスは1日の声明で、カッツ氏の発言は「戦争犯罪を拡大させる序章だ」と非難した。

 ガザの戦闘を巡っては、米国が9月29日、20項目の和平案を提示し、ハマスに受け入れを迫っている。

 AFP通信によると、ハマスの交渉団は30日、仲介国カタールとエジプト、新たに仲介に加わったトルコと和平案について協議した。ハマス内部では、武装解除を巡る条項の修正やイスラエル軍の完全撤退の保証を求める声が出ているという。

 トランプ米大統領は30日、ハマスの回答期限は「3~4日だ」と発言しており、「交渉の余地はほとんどない」とも語っている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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