イスラエル、ガザへの船団拿捕を公表 グレタさんら乗員は無事

2025/10/02 08:52 

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 イスラエル軍は1日夜、スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんらを乗せてパレスチナ自治区ガザ地区へ向かっていた「グローバル・スムード船団」(GSF)の複数の船を拿捕(だほ)し、乗員を拘束した。イスラエル外務省がX(ツイッター)で明らかにした。グレタさんら乗員は無事で、イスラエルの港に移送されるという。

 GSFはガザに支援物資を届けるため、人権活動家ら約500人が約45隻の船に分乗して地中海を航行していた。ロイター通信などによると、1日夜時点でガザから約70カイリ(約130キロ)まで近づき、2日午前にもガザの港に着く見通しだった。船団にはオランダ在住の日本人女性も乗船していた。

 GSFによると、イスラエル軍の艦艇が1日夜、公海上で船団の複数の船に接近し、兵士が乗り込んできたという。グレタさんは1日夜に交流サイト(SNS)に投稿された動画で、「違法で非人道的な(ガザの)封鎖を破るために乗船しているが、今夜イスラエルに妨害される可能性が高い」と語っていた。

 GSFは船上に設置したカメラで中継動画を配信していたが、拿捕に先立ち配信が途絶えた。イスラエル軍による電波妨害で通信障害が起きたとみられる。グレタさんが乗る船の映像では、乗員が車座になっている様子が映っていたが、しばらく配信が途絶えた後、誰もいなくなった甲板が映し出された。

 グレタさんらは6月にも船でガザを目指したが、イスラエル軍に拿捕されて国外退去となっている。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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