メラニアさんが異例の夫人外交 露によるウクライナの子供連れ去りで
ロシアによるウクライナ人の子供の連れ去りの問題を巡り、トランプ米大統領の妻メラニアさんが子供の帰還に向けた取り組みに乗り出している。
10日には8人の子供が過去24時間以内に家族と再会したと発表。プーチン露大統領と意思疎通してきたとし、さらなる帰還に向けてロシア側と取り組む方針も示した。米メディアは「大統領夫人が外交問題に直接関与するのは異例だ」と報じた。
ロシアはウクライナの占領地域から少なくとも2万人の子供を違法に連れ去ったとみられており、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)はプーチン氏に逮捕状を出している。米アラスカ州で8月にあった米露首脳会談の際、メラニアさんがしたためた問題の解決を促す手紙をトランプ氏がプーチン氏に手渡していた。
米メディアによると、メラニアさんは政治の表舞台を避ける傾向があり、1月の第2次トランプ政権発足後、ホワイトハウスでも頻繁には見かけられていなかったという。
◇「対話チャンネル維持」
ただ、この問題に関しては積極的に動いている。10日にはホワイトハウスで自ら演台に立ち発表を行った。トランプ氏が手渡したメラニアさんの手紙に対して、プーチン氏から直接やりとりする意思を示す返信があったと言及し、「プーチン氏と私は対話のチャンネルを維持してきた」と述べた。
また、子供を帰還させるため、米露双方が水面下で会合や電話協議を重ねてきたと明かし、「これは継続的な取り組みだ。さらに多くの子供を近い将来、(家族と)再会させる計画が進行中だ」と語った。
メラニアさんの報道担当者は米NBCニュースに、「大統領夫人が大統領の意思決定に与える影響は比類ないものだ。彼女はどの補佐官や閣僚と比較しても、彼らが匹敵しないほどの影響力を持っている。公には見えない形で、ひそかに政策に影響を与えることができる」と指摘した。
◇ウクライナは米国引き寄せ狙う
ロシアの侵攻を受けるウクライナ側は、子供の連れ去りという人道問題に焦点を当てることで、停戦交渉を巡ってこれまで姿勢を二転三転させてきたトランプ氏を自国側に引き寄せることを狙っている。
ウクライナのゼレンスキー大統領の妻オレナさんは8月、メラニアさんに問題への関心に謝意を示す手紙を送ったほか、両夫人は9月に米ニューヨークで面会。ウクライナ大統領府によると、子供を守る重要性などに関して話し合った。
ウクライナ側の関係者は毎日新聞の取材に、米国のケロッグ・ウクライナ担当特使がウクライナ側に「トランプ氏は子供の連れ去りの問題への関心が高い。とにかくこの問題を提起し続けることが重要だ」と助言していると明かす。
トランプ氏は、ウクライナへの攻撃を続け、ゼレンスキー氏との会談にも応じようとしないプーチン氏にいらだちを強め、ウクライナに巡航ミサイル「トマホーク」を間接的に供与することなどを検討している。ロシア側には、メラニアさんの要請に一定程度応じることで、トランプ氏の不満を和らげる狙いもありそうだ。【ワシントン松井聡】
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