トランプ氏、米司法省に350億円の「賠償」請求 米紙報道

2025/10/22 10:42 

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 米紙ニューヨーク・タイムズは21日、トランプ米大統領が前回大統領選前の2023年後半と24年夏に、自身が以前の司法捜査で受けた被害の「賠償」として2億3000万ドル(約350億円)を司法省に請求していたと報じた。

 現在、司法省で請求を認めるかどうか審査中とみられる。ただ判断する幹部らはトランプ氏に指名された人物で、同紙は「明白な倫理違反だ」と指摘している。

 報道によると、トランプ氏は請求で、16年大統領選でトランプ陣営とロシアが選挙介入で共謀したとされる「ロシア疑惑」や、21年の大統領退任時に機密文書を自宅に持ち出した事件の捜査で連邦捜査局(FBI)などを通じて「自身の権利を侵害された」と主張している。また機密文書の持ち出し事件でも「悪意ある訴追で数千万ドルを費やした」と訴えているという。

 21日にホワイトハウスで記者団の取材に応じたトランプ氏は、これらの捜査が20年大統領選で自身の再選を妨げたとする持論を展開。「(賠償請求は)金のためではない。このようなことを二度と起こさせないためだ」と主張した。仮に賠償金を受け取った場合は、慈善団体などに寄付する可能性も示した。

 トランプ氏は2期目の大統領就任後、自身に近い弁護士たちで司法省の幹部を固めている。請求が退けられた場合は訴訟を起こすことができるが、支払いが認められれば、公表されないまま「賠償金」を受け取れる可能性がある。原資は税金になるとみられる。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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