日露平和条約の締結方針、ペスコフ氏「支持する」 高市首相演説受け

2025/10/24 21:37 

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 高市早苗首相が24日の所信表明演説で北方領土問題の解決と日露平和条約締結を目指す政府方針を示したことを受けて、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、「歓迎できる。我々も平和条約締結を支持している」とコメントした。タス通信が伝えた。

 ただ、ロシアのメディアや日本研究者の間では、高市政権下でも日本の対露外交に大きな変化は生じないとの見方が強い。日本側としても、ウクライナ侵攻が続く限りは、対露姿勢を軟化させるのは困難とみられる。

 ロシアが2022年2月にウクライナ全面侵攻を開始したことを受けて、日本は欧米主要国と共に対露制裁を発動した。ロシアは日本を「非友好国」に指定し、22年3月には平和条約交渉の事実上の打ち切りを通告した。ロシアは、元島民らによる北方四島への墓参受け入れも停止している。

 高市氏は所信表明で、ウクライナ侵攻について「力による一方的な現状変更の試みを許してはならない」と訴えた上で、「日露関係は厳しい状況にあるが、日本政府の方針は、領土問題を解決し、平和条約を締結することだ」と語った。

 高市氏が「政治の師」と仰ぐ故・安倍晋三元首相は在任中、プーチン露大統領と繰り返し会談したが、領土問題の解決には至らなかった。高市政権では、安倍氏の対露外交を首相秘書官などとして支えた今井尚哉氏が内閣官房参与に起用されている。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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