フランス政府、「SHEIN」通販サイトを停止へ 成人用玩具を問題視

2025/11/06 06:16 

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 フランス政府は5日、中国系オンライン通販「SHEIN(シーイン)」が、児童に見える成人用玩具「ラブドール」を販売したとして、通販サイトを停止する手続きに入ることを明らかにした。発表は、シーインが低価格商品を主力とするブランドながらパリの老舗百貨店に実店舗をオープンした日と偶然重なった。このため、一部の市民が店の周辺で抗議活動を行うなど反発が広がっている。

 仏紙ルモンドなどによると、仏政府当局が1日、少女に見えるラブドールなどがシーインの通販サイトで売られていると発表し、国内で一気に批判が高まった。仏捜査当局も児童ポルノなどの疑いでシーインや中国のネット通販大手アリババグループが運営するサイト「アリエクスプレス」を対象に捜査に乗り出している。

 仏政府は、通販サイトが適法に運営されているとシーインが当局に証明できるまでサイトを停止する方針。シーイン側は協議を求めている。

 シーインは自社ブランドの衣服のほか、第三者の商品もオンラインで販売している。衣服は流行のデザインの服などを低価格で提供する「ファストブランド」として人気を集めている一方、大量廃棄による環境汚染や低賃金労働などの問題も指摘されている。ラブドール販売を巡る批判が高まる前から、老舗百貨店への進出は「ふさわしくない」として反対運動が行われていた。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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