プーチン氏、「核実験」準備検討で情報収集を指示 米国をけん制

2025/11/06 09:39 

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 ロシアのプーチン大統領は5日、安全保障会議を開き、「核兵器実験」の準備作業を始めるか検討するため、追加の情報収集などを外務省や国防省に命じた。米国のトランプ大統領が10月末に「核実験」開始を米国防総省に指示したことを受けた動きで、米国をけん制する狙いがあるとみられる。

 プーチン氏は「ロシアは核実験全面禁止条約(CTBT)に基づく義務を厳守しており、逸脱する予定はない」と述べつつ、米国などが核実験を行った場合には「適切な報復措置を講じる必要がある」とした。

 ロシアは旧ソ連時代の1990年を最後に、核実験を凍結している。今後、核爆発を伴わない臨界前核実験などを検討する可能性がありそうだ。

 安保会議では、ベロウソフ国防相が「米国の動きは著しく危険」と報告し、「本格的な核実験の準備を直ちに開始することが賢明だ」と提言した。ソ連時代からあるロシア北極圏ノバヤゼムリャ島の核実験場に言及し、「短期間での実施が可能」と述べた。

 また、ナルイシキン対外情報庁長官は、露外交官らが米国務省などにトランプ氏の発言の具体的な意味を問い合わせているが、実質的な回答が得られていないと話した。

 トランプ氏の指示について、米国のライト・エネルギー長官は2日、「システム実験だ。核爆発(を伴う実験)ではない」と釈明した。【モスクワ真野森作】

毎日新聞

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