COP30で新議長案 「脱化石」行程表の選択肢など消える

2025/11/21 18:49 

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 ブラジル北部ベレンで開催中の国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)は21日、予定の会期末を迎えた。

 議長国ブラジルは同日未明、成果文書の新たな草案を各国に提示。18日時点の最初の草案にあった、脱化石燃料に向けたロードマップ(行程表)を作る選択肢や、「化石燃料からの脱却」といった文言が削除された。また、地球温暖化の被害を抑える「適応」のための途上国向け資金を3倍に増やす案も「先進国に要請する」という選択肢が消え、「努力を呼びかける」という表現に弱められた。

 交渉関係者によると、ロードマップにはサウジアラビアなどの産油国が、適応資金の増額を巡っては日本などが反対していたという。ロードマップ策定はブラジルのルラ大統領が呼びかけ、英国やドイツ、コロンビアなど80カ国以上が賛同している。新草案への反発は必至で、合意の見通しは立っていない。

 一方、COP30の会場で20日午後2時ごろ、火災が発生し、各国の閣僚や交渉官らが一時避難する騒ぎがあった。間もなく消し止められたが、この日予定されていた会議などは全て中止された。石原宏高環境相ら日本の代表団は避難し、けがはなかった。

 火元は各国政府や団体などのパビリオンが並ぶエリア。13人が煙を吸い込み、現場で手当てを受けたという。【ベレン大野友嘉子】

毎日新聞

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