ドイツがイスラエル製ミサイル迎撃システム運用開始 防空体制を強化

2025/12/04 09:09 

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 ドイツ連邦軍は3日、イスラエルから購入した弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」の運用を開始した。ロシアによるウクライナ侵攻で脅威が高まったことを受け、防空体制の強化を進める。

 独DPA通信などによると、アロー3はイスラエルと米国が共同開発し、イスラエル以外への配備は今回が初めて。

 アロー3は大気圏と宇宙空間の境目にあたる約100キロの高度で敵ミサイルの迎撃が可能だ。大量破壊兵器への対応を念頭に開発され、有害物質を含む場合でも地上への影響を最小限に抑えられる。

 運用を開始したのは東部ホルツドルフ空軍基地で、今後、別の場所に2基が追加で配備される。

 アロー3の運用は、欧州の防空強化のためドイツが主導する取り組み「欧州スカイシールド・イニシアチブ」の一環。ピストリウス国防相は3日、「我々自身だけでなく(欧州の)パートナーの防衛力も強化する」と強調した。

 ドイツ政府は2023年、約40億ユーロ(約7200億円)で購入契約を結んだ。イスラエルにとっては過去最高の契約額だった。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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