「何でもないことに大騒ぎするな」 中国、近隣海域での艦船展開で

2025/12/05 17:57 

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 ロイター通信は4日、中国が近隣の海域に軍や海警局の多数の艦船を展開していると報じた。一時は100隻以上に上ったという。

 中国は、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁や台湾の防衛力強化に反発しており、今後、大規模な軍事演習が実施される懸念がある。

 ロイターによると、艦船は黄海南部から東シナ海、南シナ海、太平洋にかけての広い海域に展開。今週初めごろは100隻以上だったが、4日朝には90隻程度になった。

 中国が2024年12月に台湾周辺で実施した「過去最大」の軍事活動は、艦船90隻超だったため、規模では同等以上になる。

 当局者の一人はロイターの取材に対し、中国は11月14日以降、多くの船舶を展開し始めたと語った。中国側が日本の金杉憲治駐中国大使を呼び出し、答弁に抗議した日の翌日にあたる。

 今回、艦船の一部は、戦闘機と連携して外国船への模擬攻撃を実施。また、紛争発生時に外部からの増援部隊を阻止するための訓練も実施しているという。

 台湾の頼清徳総統は11月、26年からの8年間で計1兆2500億台湾ドル(約6兆2300億円)の特別予算を盛り込んだ国防強化計画を発表しており、中国はこれにも反発していた。

 中国外務省の林剣副報道局長は12月5日の記者会見で、「中国海軍と海警局は、中国の国内法と国際法に厳格に基づいて活動している。何でもないことに大騒ぎする必要はない」と述べた。【北京・畠山哲郎】

毎日新聞

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