世界最古、40万年前の「火おこし」の証拠を発見 大英博物館など
40万年前に人類が火をおこしていた最古の具体的証拠を英国南東部の遺跡で見つけたと、大英博物館などの研究チームが10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。発見した火打ち石などを分析し、自然に発生する山火事などからではなく、当時の人類が「人為的に火をおこし、使っていた」と結論付けた。これまではフランスの遺跡で確認された、約5万年前の炉跡が最古だった。
見つかったのは英南東部サフォーク州にあるバーナム遺跡。前期旧石器時代の遺物が出土すると知られ、20世紀初頭から断続的に発掘調査が行われてきた。
チームは2013年に調査を始めた。火打ち石として使われる黄鉄鉱を約40万年前の地層から17年に発見したのを皮切りに、木炭や、焼け焦げた手おのなどを発見した。
それらを化学的に分析すると、遺跡の同じ場所が、700度を超える温度で繰り返し使われていたことが判明。加えて黄鉄鉱は遺跡の地域では希少で、人為的に持ち込まれたことも示唆された。
これまでも南アフリカやイスラエルなどでさらに早い段階での火の使用の痕跡はあったが、火をおこしていたかは詳細な証拠が得られていなかった。
今回、誰が火を使っていたかまでは分かっていないが、近隣の別の遺跡で見つかった頭蓋(ずがい)骨からネアンデルタール人の最古の集団の可能性が高いという。大英博物館のニック・アシュトン教授は「これほど早くに、ネアンデルタール人が黄鉄鉱などの特性を知っていたことは驚きだ」と話す。
人類は火の制御能力を持つことで飛躍的な進化を遂げた。今回の発見は30万~50万年前の人類の脳が急激に発達した時期と重なり、「人間の行動に大きな変化があったことを裏付ける証拠の一つ」としている。
人類と火の歴史に詳しい名古屋大の門脇誠二教授(考古学)は「火の利用が頻繁になり始めた40万年前ごろの人類が意図的に火をおこした証拠を、炉跡の化学分析と火打ち道具(黄鉄鉱)の発見を組み合わせて示した意義は大きい」と評価する。40万年前はいわゆる「旧人」段階の人類が多くいた時期で、「当時の行動や新しい文化への転換点として『火おこし』があったか、他の地域でも確かめられていくことが期待される」と話す。【荒木涼子】
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