FRBが3会合連続の利下げ決定 26年は「1回」の見通し

2025/12/11 11:05 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米連邦準備制度理事会(FRB)は10日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0・25%引き下げ、3・5~3・75%とすることを賛成多数で決めた。利下げは3会合連続。物価上昇(インフレ)懸念は根強いものの、足元で目立つ雇用市場の減速への対応を優先した。

 同日公表された最新の経済見通しによると、2026年末の政策金利は3・4%(中央値)で、9月の前回見通しを据え置いた。現在の政策金利を起点にすると、26年中に0・25%の利下げが1回実施される予測となる。

 FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で、今後の利下げ判断について「十分に余裕を持って経済データの推移を見守る態勢が整っている」と述べ、当面は慎重な姿勢で臨む意向を示した。

 追加利下げに対し、投票権を持つ12人のうち3人が反対票を投じた。カンザスシティー連銀のシュミッド総裁とシカゴ連銀のグールズビー総裁が金利据え置きを主張した一方、トランプ大統領が指名したミラン理事が3会合連続で0・5%の大幅利下げを求めた。3人が反対票を投じたのは19年9月以来となる。

 今回のFOMCは米連邦政府の一部閉鎖の影響で、FRBが注視する物価と雇用に関する主要な経済指標の最新データが公表されない中で開催された。FRBは、民間のデータを利用する形で利下げを決める異例の会合となった。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース