ガザと死亡したフォトジャーナリスト思うピアノ 東京でコンサート

2025/12/23 18:11 

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 東京都港区の日本ユニセフ協会展示施設「ユニセフハウス」で22日、パレスチナ自治区ガザ地区と、イスラエルの攻撃により今年4月に25歳で死亡したファトマ・ハッスーナさんに思いをはせるコンサートがあった。同協会がハッスーナさんの写真展に合わせて開催し、ジャズピアニストの小曽根真さんが演奏を披露した。

 ハッスーナさんはドキュメンタリー映画「手に魂を込め、歩いてみれば」(5日から全国順次公開中)に登場するガザのフォトジャーナリスト。ミサイルやドローンの攻撃にさらされる故郷にレンズを向け続けた。来年2月19日まで開催の写真展には、がれきが積み上がった町で生きる子どもたちのまなざしなどを捉えた写真が並ぶ。

 映画はフランスを拠点に活動するイラン人監督セピデ・ファルシさんと、ハッスーナさんのビデオ通話を中心に構成された作品。「非日常」のガザの日常が、そこで暮らす彼女の視点で語られ、詩や映像とともに記録されている。映画を配給するユナイテッドピープルの関根健次代表はコンサートの冒頭「映画を、写真をきっかけにパレスチナ、ガザとつながっていただきたい」と話した。

 この2年でガザの死者は7万人を超え、餓死者も相次いだ。米国の非営利組織「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)やガザ保健当局などの報告によると、ガザでは2023年10月以降ハッスーナさんを含む200人超のジャーナリストやメディア関係者がイスラエルの攻撃で命を落としたとみられている。

【和田大典】

毎日新聞

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