トランプ氏、ベネズエラ大統領に辞任促す 「我々には巨大艦隊ある」

2025/12/24 05:45 

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 トランプ米大統領は22日、南部フロリダ州の私邸で記者団の取材に応じ、麻薬対策を名目に圧力を強める南米ベネズエラの反米左派、マドゥロ大統領に辞任を促した。トランプ氏は11月にマドゥロ氏と電話協議し、退陣と国外退去を要求したと報じられている。マドゥロ氏が権力の座を退くべきかとの問いに「彼次第ではあるが、そうする方が賢明だと思う」と述べた。

 米軍はカリブ海に最新鋭の原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群を展開している。トランプ氏は「我々には巨大艦隊がある」と強調し、マドゥロ氏が「強硬に出れば彼にとって最後の時となるだろう」と警告した。

 米政権は9月以降、ベネズエラの「麻薬運搬船」と見なした船を繰り返し爆撃し、乗員100人以上を殺害。ワイルズ米大統領首席補佐官は米雑誌バニティ・フェアの取材に対し、トランプ氏の真の狙いはマドゥロ氏が「音を上げるまで船を爆破し続けることだ」と語っている。

 また、トランプ氏は今月に入って行われているベネズエラの原油を運搬する石油タンカーの拿捕(だほ)について、3隻目も現在追跡していると明らかにし、「まだ航行中だが最終的には捕まえる」と語った。

 トランプ氏は地上攻撃の可能性にも繰り返し言及して軍事的緊張を高めている。AP通信は22日、欧州の情報当局者の話として、ベネズエラのロシア大使館が外交官の家族を退避させ始めたと報じた。この当局者はAPに対し、ロシア外交当局者たちが、ベネズエラは「非常に厳しい」状態と判断していると話したという。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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