ウクライナのゼレンスキー大統領は２３日、ロシアとの和平交渉に向け米国と協議を重ねている和平案について、Ｘ（ツイッター）で「複数の草案文書が準備された」と明らかにした。「我々は米国が最終的な合意に至ることを望んでいると感じており、完全に協力している」とも強調した。

　ウクライナの代表団と米国は１９～２１日、和平案や「安全の保証」などを扱う４文書について協議した。ゼレンスキー氏は、ウクライナ側代表のウメロフ国家安全保障国防会議書記から詳細に報告を受けたとし「生産的な仕事をした」と代表団を評価した。

　ゼレンスキー氏は２２日にもＸで「全文書の中核は準備ができた」との見方を示していた。一方で「全てが完璧ではない。我々が受け入れられない部分もある」とも明かし、領土問題などは引き続き議論する姿勢だ。

　ウクライナと米国の協議では、東部ドネツク州からのウクライナ軍の撤退を求める米国と、拒否するウクライナとの間で溝が埋まらず、議論が続いている。【ベルリン五十嵐朋子】