ウクライナのゼレンスキー大統領は２６日、記者団に対し、トランプ米大統領と２８日に米南部フロリダ州で会談すると明らかにした。仲介役の米国と話し合いを進めているロシアとの和平案について協議する。

　米国とウクライナの間では領土問題などで意見が一致しておらず、ゼレンスキー氏はトランプ氏との会談で合意を目指したい構えだ。ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は「できる限り全てを完成させることが目的だ」と語った。

　ウクライナと米国の代表団は今月１９～２１日に２０項目の和平案について協議し、大筋で内容をまとめた。だが領土問題とロシアが占領する南部ザポリージャ原発の扱いに関しては合意に至っておらず、ゼレンスキー氏はトランプ氏と直接話し合って決めることを求めていた。

　米国は、ロシアが大部分を占領するウクライナ東部ドネツク州からウクライナ軍が撤退し、同州に非武装中立の「自由経済地域」を設けることを提案している。ウクライナは撤退に応じるならロシア軍も同程度の範囲を撤退すべきだと主張している。

　また、ロシアが占領する南部ザポリージャ原発について、米国は米、ウクライナ、ロシアの３国で管理することを提案。ウクライナはロシアが加わることを拒否している。【ベルリン五十嵐朋子】