米軍、イラン周辺で軍備増強を加速 革命防衛隊は軍事演習でけん制

2026/02/20 09:43 

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 米国によるイラン攻撃が取り沙汰される中、中東で米軍が戦力増強を加速させている。トランプ米大統領が追加派遣を決めた最新鋭の原子力空母ジェラルド・フォードを中心とする空母打撃群は、早ければ週末にも中東に到着するとみられており、緊張が高まっている。

 米CNNなどによると、1月下旬以降、米軍はギリシャのクレタ島▽ヨルダン▽サウジアラビア▽バーレーン▽アラブ首長国連邦(UAE)――に戦闘機や偵察機などを追加派遣した。アラビア海にはすでに原子力空母エーブラハム・リンカーンの空母打撃群が展開しているほか、紅海やペルシャ湾、ホルムズ海峡にも駆逐艦などを派遣している。

 空母打撃群は、空母と艦載機に加え、護衛などにあたる駆逐艦や潜水艦など複数の艦船で構成される。艦載機による空爆や、駆逐艦などが搭載する巡航ミサイル「トマホーク」による攻撃が可能で、イランにとっては大きな脅威だ。

 ◇イランもけん制強める

 それだけに、イラン側も米軍へのけん制を強めている。

 イランメディアによると、精鋭軍事組織・革命防衛隊の海軍は原油輸送の要衝ホルムズ海峡で16日から軍事演習を開始した。17日には数時間にわたって海峡を閉鎖。友好国ロシアとの共同演習も実施した。

 ロイター通信によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は19日、共同演習は「事前に計画されたもの」だとしつつ、「(中東)地域で前例のないほど緊張が高まっている」と述べ、双方に自制を求めた。

 イランは昨年6月にも米国と核問題を巡る交渉中、イスラエル軍による先制攻撃を受け、12日間の交戦に発展した。終盤には米軍も空爆に加わり、イラン国内の核施設を地下貫通弾で爆撃。イランは報復としてカタールにある米軍基地にミサイルを撃ち込んだが、このときは米軍側に死傷者は出ず、停戦に至った。

 米ニュースサイト「アクシオス」などによると、米国は今回、イスラエルとともに数週間にわたる全面的な戦争を行う可能性がある。トランプ氏もイランの「体制転換」が望ましいとの見方を口にしている。仮に米軍との全面衝突に発展すれば、イラン指導部にとっては存亡をかけた戦いになるとみられ、激しい反撃も予想される。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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