住民に立ち退き迫るため放火指示か 不動産会社「地上げ」担当ら逮捕

2026/02/20 11:19 

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 東京都品川区の住宅街で2025年10~11月に空き家やポストが相次いで燃える放火事件があり、警視庁捜査1課は20日、住人に立ち退きを迫るために知人に放火を指示したとして不動産会社社員の内藤寛己容疑者(31)=港区赤坂2=を現住建造物等放火未遂と非現住建造物等放火容疑で逮捕したと発表した。捜査関係者によると、内藤容疑者は周辺の土地を買い集める「地上げ」を担当しており、警視庁は住人への嫌がらせが目的だったとみて調べている。

 現場は東急目黒線の武蔵小山駅から徒歩3分ほどの住宅街で、路地が入り組み、古い戸建てやアパートが建ち並ぶ一角。都心までのアクセスの良さを売りに駅前には高層マンションが並ぶうえ、25年秋からは大規模な再開発事業も始まり、地価の高騰が続いていた。

 内藤容疑者は、別の不動産開発会社の依頼を受けて一帯の土地の地権者と売買交渉する「地上げ」を任されていた。被害に遭った男性の住宅は立ち退きを断っていた世帯の一つで、郵便ポストの一部を焼かれたという。一連の火災でけが人はなかった。

 警視庁は、内藤容疑者の指示を受けた放火の実行役として、他に26~30歳の男性5人も現住建造物等放火未遂や非現住建造物等放火容疑で逮捕した。

 内藤容疑者の逮捕容疑は25年10月31日早朝、品川区小山2の男性宅の外壁にガソリンをまいて火をつけて家を燃やそうとし、11月18日未明にも隣接する空きアパートに火をつけて内部や外壁を焼損させたとしている。容疑を認めている。

 警視庁によると、車で現場近くまで来た容疑者らの姿が付近の防犯カメラで確認された。実行役の5人は内藤容疑者の知人で、一部は「報酬をもらった」という趣旨の供述をしているという。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】

毎日新聞

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