神奈川県警の交通取り締まり不正、警察官7人を書類送検 24人処分
神奈川県警が交通違反で不正な取り締まりを繰り返していた問題で、県警は20日、違反に関する書類にうその記載をしたとして、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで警察官7人を書類送検した。県警は中心になった男性巡査部長(40代)を懲戒免職とし、当時の県警本部長を含む計24人が処分(退職者は処分相当)を受ける。
県警は不正の疑いが拭えない事案も含めた2716件の違反を取り消し、反則金として徴収した計約3500万円を国庫からドライバーに返金する。県警の今村剛本部長は記者会見し、「取り締まりに対する信頼を失うもので、深くおわび申し上げます」と謝罪した。
書類送検されたのは、第2交通機動隊第2中隊の第4小隊に所属していた警部補1人、巡査部長2人、巡査長4人。この小隊は茅ケ崎市に分駐所があり、小田原市と厚木市を結ぶ自動車専用道で覆面パトカーによる取り締まりなどを行っていた。
送検容疑は2022年3月~24年9月、速度超過や車間距離不保持の取り締まりで3回にわたり、車両を追尾した距離を実際より長く記入するなどした。また、現場の位置や状況を記録する実況見分について、現地に行かずに調書を6回作成したとされる。
県警によると、取り締まりの経験が最も豊富だった巡査部長=懲戒免職=が、同僚を巻き込んで不正を主導していた。速度違反の取り締まりでは一定の距離を追尾して速度を測る必要があるが、気づいたドライバーが減速した場合などでも、追尾距離を水増ししていたという。
24年8月、反則切符を交付されたドライバーから相談があり、不正の疑いが浮上。県警は1年半にわたり内部調査を進めていた。巡査部長は不正を認め、「悪質な違反は取り締まって排除したかった。間違った正義感だった」と説明している。
現職者では、免職1人▽停職5人▽減給2人――の計8人が懲戒処分になった。和田薫・前県警本部長や交通部幹部らも口頭厳重注意などを受ける。
県警は再発防止策として、本部に「巡回指導官チーム」を置いて各署の点検に回る。
違反を取り消す対象者は38都道府県の約2700人に上る。一般運転者から優良運転者などへの免許区分の変更は1065件、免許取り消し・停止の変更は100件の見込みで、各地の警察が手続きを進める。
対象者には県警が電話や戸別訪問で謝罪するほか、24時間の専用ダイヤル(045・365・3177)で相談を受け付ける。【横見知佳、清水夏妃】
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