イラン次期指導者モジタバ師って? 反体制デモ「武力鎮圧」の過去も

2026/03/09 07:39 

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 米国とイスラエルの攻撃で最高指導者ハメネイ師が殺害されたことを受け、イラン指導部は次期指導者にハメネイ師の次男モジタバ師を選んだ。一体どのような人物なのか。

 米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、モジタバ師は1969年、イラン北東部の都市マシュハドで生まれた。高校卒業後にイランの精鋭軍事組織・革命防衛隊に入隊し、イラン・イラク戦争(80~88年)に従軍。まもなく初代最高指導者のホメイニ師が亡くなり、父ハメネイ師が後継に任命された。

 その後イスラム教シーア派の聖地コムで神学を学び、神学校で教職に就いた。職務を通じて宗教指導者の人脈を広げるとともに、保守派政治家の娘と結婚し、体制側との結びつきを一層強固にした。

 革命防衛隊や防衛隊傘下の民兵組織バシジと関係が深く、体制内では反米強硬派の実力者とみられている。2009年の大統領選では、政治的な立場が近いアフマディネジャド元大統領を支持。選挙後に起きた大規模デモでは、民兵とともに反体制派を鎮圧したとされる。米国は19年、モジタバ師を制裁対象に指定した。

 ただ、これまで公の場では陰の存在に徹してきた。中東の衛星テレビ「アルジャジーラ」によると、モジタバ師は信徒が多数集まる金曜礼拝での説教や政治的な演説を行ったことがなく、多くの国民はその肉声すら聞いたことがないという。

 父ハメネイ師の後継者問題についても、沈黙を貫いてきた。権力の継承がイスラム革命(1979年)で倒された王政を想起させ、反発を招くことを警戒したためとみられる。

 ハメネイ師は最高指導者を選出する政府機関「専門家会議」の24年の会議で、モジタバ師を後継者とすることを否定した。一方で、ハメネイ師の死後は、革命防衛隊が次期指導者に推していると報じられ、最有力候補として注目されていた。【古川幸奈】

毎日新聞

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