石破首相、トランプ氏との会談前に日本製鉄と協議 USスチール巡り

2025/02/10 17:02 

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 日本製鉄によるUSスチール買収計画を巡り、石破茂首相がトランプ米大統領との首脳会談で提案する内容について、日鉄側と事前協議していたことが政府・与党関係者への取材で判明した。USスチールへの投資により日米双方にメリットがあることを強調し、トランプ氏の理解を得る狙いだったとみられる。

 首脳会談はワシントンで7日昼(日本時間8日未明)に行われ、トランプ氏は会談後の共同記者会見で「所有ではなく投資することで合意した」と表明。石破氏も「買収ではなく投資だ。どちらかが利益を得るというような一方的な関係にならないことを大統領と共有した」とした上で「本日の大きな成果だった」と述べた。

 石破氏は9日のNHK日曜討論で、この問題について「(USスチールが)買収されて日本の会社になることに抵抗感があるならば、米国の企業であり続けることがトランプ氏にとって大事なことだ」と語った。

 林芳正官房長官は10日の記者会見で「日鉄は単なる買収ではなく、大胆な投資を行うことで米国や世界が求める優れた製品の生産を行い、日米がウィンウィンになれるような、これまでとは全く異なる大胆な提案を検討していると承知している」と述べた。

 トランプ氏が、日鉄はUSスチールの株式の過半数を握ることはないとの認識を表明したことについては「個別の企業の経営判断に関わる」としてコメントを避けた。【川口峻、鈴木悟、内田帆ノ佳】

毎日新聞

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