石丸伸二氏、都知事選巡り人件費支払い否定 機材キャンセル料と主張

2025/02/21 11:42 

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 前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(42)は21日、落選した2024年7月の東京都知事選で映像制作会社に人件費を支払ったとされる疑惑について記者会見し、支払いは全て機材のキャンセル料だったと釈明した。公職選挙法が禁じる一般運動員への報酬には当たらないとの認識を示した。一方、支払総額に人件費を含んだ見積書が一時作成されたことから、「当局から(違法と)指摘される可能性はある」とも述べた。

 石丸氏側の説明によると、陣営担当者が投開票日2日前の決起集会のライブ配信を制作会社に発注。その支払いが公選法に抵触する可能性を陣営内で指摘され直前に取りやめたが、制作会社と協力会社3社のスタッフがボランティアで配信した。陣営は4社分の撮影機材キャンセル料として97万7350円を支払った。

 疑惑は週刊文春が6日に報道。その後、石丸氏側が調査したところ、制作会社による見積金額は一時人件費を含めて97万7350円と記載されたが、最終的な見積書は人件費の項目が削られ機材費が増額され、同じ総額になっていた。

 石丸氏は見積書について「そもそも大幅にディスカウントされた金額だった上に、映像業界では人件費と機材費が明確に分けられない実態があり、陣営担当者らは内訳に意味がないという認識でいた」と述べた。キャンセル後も同一業者らに配信を委ねた経緯は「問題だった」と語る一方、ボランティアでの参加を伝える関係者のやり取りを確認済みとした。支払先でキャンセル料がどう扱われたかは「分からない」とした。

 疑惑を巡っては、市民団体が公選法違反(買収)容疑の告発状を東京地検に提出している。【島袋太輔】

毎日新聞

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