夏の参院選比例代表で、国民民主党から立候補する元衆院議員の山尾志桜里氏（５０）はどんな人物なのか。略歴を振り返った。

　仙台市生まれで１９９９年に東大法学部を卒業。２００２年に司法試験に合格し、検事として千葉地検などに勤務した。１０代の頃、ミュージカル「アニー」日本版でアニー役を務めた経歴も持つ。

　旧民主党が政権交代を果たした０９年衆院選で、同党から愛知７区に立候補し初当選。次第に論客として頭角を現した。

　脚光を浴びたのは旧民進党時代の１６年だ。「保育園落ちた日本死ね！！！」。保育園の入所選考に落ちた母親が怒りをつづったブログを国会で取りあげ、深刻化する待機児童問題を追及。交流サイト（ＳＮＳ）を中心に大きな反響を呼んだ。

　１７年に旧立憲民主党入り。２０年に離党して旧国民民主党に移った。山尾氏が重要な政治テーマとする憲法議論で玉木雄一郎代表の姿勢に「非常に強く共感した」のが理由だった。

　華々しい経歴の一方で、週刊誌で既婚男性との交際疑惑が報じられたこともあった。

　２１年衆院選には立候補せず、一時政界引退。結婚後の「山尾」姓から、離婚を経た戸籍上の「菅野」姓を名乗って弁護士活動などをしていた。

　今回は、衆院議員時代に用いた「山尾」姓で政界復帰を目指す意向で、毎日新聞の取材に「名前にひも付いたイメージの正も負も背負っていく」と語っている。