長年の「宿題」に挑んだ日本 意図見えた鎌田の先制点 W杯最終予選

2025/06/10 21:40 

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 ◇サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(10日、大阪・パナソニックスタジアム吹田)

 ◇○日本6―0インドネシア●

 既にW杯出場を決めている日本にとって、アジア最終予選のラストマッチは長年の「宿題」に挑む試合となった。

 守備時には5バックのブロックを敷いてゴール前を固めるインドネシアに対し、日本は攻撃で的を絞らせない動きを繰り返した。

 象徴的だったのは前半15分。敵陣左サイドで鎌田大地が三戸舜介に一旦ボールを預けると、斜め前へ走り込む。三戸のクロスに鎌田が自ら頭で合わせ、幸先良く先制した。

 その後も次々とインドネシアのゴールを陥れ、前後半で3回ずつネットを揺らした。

 この日2得点の鎌田は「前回のオーストラリア戦の反省を踏まえて、良いコンビネーションでできた」と満足げだった。

 引いて守る相手の崩し方は、以前から日本の課題に挙がる。

 5日のオーストラリア戦は攻撃の形が単調だった。さらに終盤に失点し、今最終予選で初黒星となった。

 だが、この日は前後左右にとどまらず斜めへの動きも効果的に使い、選手同士のポジションを流動的に入れ替えるなど、ボールも人も活発に動かす意図が見られた。それが大量得点につながった。

 森保一監督は「アジアで勝つことだけが目標ではない。(選手)個々が自分の殻を破って成長しようと、1点で満足せず、次のチャンスで取り続けることをやってくれた」。長年の課題に積極的に向き合い、確かな成果を出した一戦となった。【高野裕士】

毎日新聞

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