各地の自民県連が首相退陣・刷新を要求 参院選で全敗の四国など
自民党が参院選で大敗したことを受け、石破茂首相(党総裁)の退陣や党の体制刷新を各地の自民県連が党本部に要請すると決めた。党内基盤の弱い石破氏は、過去の総裁選で地方などの党員票を集めて存在感を保ってきた。地方で責任論が拡大すれば、政局への影響は必至だ。
3選挙区(いずれも改選数1)とも敗れた四国では、2007年以来、18年ぶりに自民が全敗し、県連の怒りに火がついた。
高知県連は21日、緊急役員会を開き、石破氏の早期退陣を近く党本部に申し入れることを決めた。申し入れは「敗北の責任を取り、選挙で示された民意に沿って、石破茂総裁は早期に退陣すべき」だとの内容。
石破氏は徳島・高知選挙区で擁立した新人の応援で12日に高知県南国市で演説したが、野党が支援した無所属現職に6万票あまりの差をつけられて敗れた。
愛媛県連も22日、党本部に対し「現体制の刷新を強く求めたい」とする鈴木俊広幹事長(県議)名の声明を発表。結果について「自民党そのものへの不信の表れであり、今後の各級選挙にも甚大な影響を及ぼす」とし、これまで強みだった「『地方の足元』が根本から揺らいでいる」とした。
自民候補が勝利を収めた県連も退陣要請などを決定した。
栃木県連(茂木敏充会長)は22日、石破氏と森山裕幹事長の退任を党本部に要請する方針を決めた。緊急で持ち回りの総務会を開催し、全会一致で決定した。木村好文県連幹事長は「現在の党執行部では、国民の支持の回復はおろか、党の存続に関わる大変由々しき事態」とのコメントを出した。
茨城県連は22日、体制の刷新を求める要請書を党本部に出すことを定例会合で決めた。海野透会長は会合後に報道陣の取材に応じ、衆院選、東京都議選、参院選の3連敗について「スリーアウトでチェンジだ」と述べた。野党との連立が必要になるとの見方も示し、国民民主党の玉木雄一郎代表が「石破政権と組むことはあり得ない」と発言したことも踏まえて首相を交代させるべきだとの考えを明らかにした。
退陣や刷新の要請を機関決定した県連以外でも石破氏への批判は広がっている。
山梨選挙区(改選数1)では元官房副長官の現職が議席を失った。山梨県連の若手県議らで組織する青年部・青年局は22日、石破氏や森山氏の辞任などを求める申し入れ書を党本部に提出。文書で「続投表明は、政治倫理の根幹を揺るがす事態」と党執行部を厳しく非難した。埼玉県連も青年局が執行部刷新を党本部に提言した。
27年ぶりに公認候補が落選した大阪選挙区(改選数4)では、大阪府連会長の青山繁晴参院議員が責任をとって会長を辞任すると表明した上で「有権者の判断は常に健全だ。総理はお辞めになるべきだ」と述べた。
静岡県連も石破氏の進退に関し党員の意向を調査する方針を表明。新潟県連も役員会で対応を検討している。【有田浩子、小林理、田中祐子、鈴木敬子、杉本修作、高良駿輔、太田圭介】
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