参政党、神谷代表に権限集中 創設メンバー減少で「1強」体制に

2025/09/02 06:01 

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 参政党で神谷宗幣代表への権限集中が進んでいる。党は2020年4月に神谷氏のほか、政治系YouTuberのKAZUYA(カズヤ)氏、国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏、元共産党員の篠原常一郎氏、元財務官僚の松田学参院議員――の5人の幹部で創設された。このうち今も党に残っているのは神谷氏と松田氏だけ。松田氏は党規約上の役職に就いておらず、党内は神谷氏の事実上の「1強」体制になっている。

 党運営の要となるのが、神谷氏が代表と兼務している事務局長だ。党規約は事務局長について「党務全般を管理し、所管する業務を統括する」と定める。「代表を補佐」することも明記されているが、渡瀬氏は「他の幹部や支部が暴れても、事務局長が全てコントロールできるように権限を集中させた」と明かす。新興政党が陥りがちな「内輪もめ」への対応を念頭に置いたという。

 参政は松田氏が代表だった時期もあるが、事務局長は創設以来、神谷氏が務める。神谷氏は6月30日の記者団のインタビューで「事務局長で予算権、人事権を持っている。『神谷1強』だと言われたら否定できない部分はある」と語った。

 カズヤ氏は「参政党の初期には神谷さんの独裁は全くなかった」と話しており、創設時のメンバーが減ったことで神谷氏への権力集中が一層進んだ可能性がある。

 8月1日には国会議員団の新たな人事を発表した。安藤裕参院議員を幹事長兼政調会長、松田氏を両院議員総会長兼参院会長に起用するなどしたが、これらは党規約に存在しない役職だ。

 神谷氏は同日の記者会見で「党全体の予算(の権限)を持っているのは事務局長だ」と説明。党運営の実権は自身にあるとの認識を重ねて示した。【田中裕之】

毎日新聞

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