栃木市議会、委員会で職員叱責議員の問責決議案を可決

2025/09/29 18:51 

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 栃木市議会は29日、広瀬義明議員(60)=自民未来、4期=に対する問責決議案を可決した。

 提案議員によると、広瀬議員は8月21日の民生常任委員会の審査中、自席の机をたたき、答弁した職員に声を荒らげた。この行為について、市執行部と市職員労働組合が市議会に「職員に精神的な苦痛を与えるハラスメント行為にあたる」と申し入れていた。

 同僚議員によると、委員会は同日、学童保育の不正請求などが明らかになった「陽光学園」問題の所管事務調査をしており、広瀬議員は担当課が多くを黒塗りで提出してきた審査資料についてただしていた。職員が資料の内容を把握しておらず、質疑に対し「この次からは」と答弁したため、広瀬議員が机をたたき、「この次では遅い」と叱責した。広瀬議員は同日の審査中に謝罪したという。

 問責決議案は全会一致で可決されたが、賛成討論の中でも「市は市民への説明責任を放棄しており、ずさんな対応には憤りを感じざるを得ない」「誠実な答弁を求める」などの意見があった。また、市長名で「ハラスメント認定」が行われたことについて、「基準も示されず、恣意(しい)的な運用につながる」との問題提起があった。

 首長や議員によるハラスメント防止に対しては、認定や手続きなどを明確にした条例化が全国で進んでおり、一般財団法人「地方自治研究機構」によるとすでに128団体(今年8月14日現在)が制定している。【太田穣】

毎日新聞

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