高市政権誕生、契機は公明離脱の前日 維新幹部のショートメール

2025/10/21 19:25 

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 「大変だと思うけど、体に気をつけてくださいね」

 日本維新の会の遠藤敬国対委員長は9日夕、自民党の高市早苗総裁の携帯電話にショートメールを送った。

 公明党が自民との連立離脱の是非を巡り、対応を協議する渦中だった。遠藤氏は「今回の公明はこれまでと違う」と感じ、旧知の高市氏を気遣った。約30分後、遠藤氏の携帯電話に高市氏から着信があった。

 「公明が連立離脱なんてありえへんやろ? 維新ともうまくやっていきたい」

 高市氏の認識は、自公に維新を加える連立拡大だった。遠藤氏は「自民は国民民主党なんでしょう?」と探りを入れた。高市氏は総裁就任翌日の5日に国民民主の玉木雄一郎代表と極秘会談し、翌日に報じられた。だが高市氏の返答は遠藤氏の予想と異なっていた。

 「報道のようなことはありません。それよりも維新はどうなんですか?」

 自民総裁選で維新とのパイプを持つ菅義偉元首相や森山裕前幹事長は小泉進次郎氏を支援し、維新との連立を見据えた水面下の交渉が進んでいた。一方、高市氏の維新人脈は乏しい。高市氏が維新との距離を測りかねているとみた遠藤氏が「個人の好き嫌いで政治をやっているわけやない。自分たちの政策の実現のためにやっている」と伝えると、高市氏は即答した。「ぜひ、お話ししましょう」

 自維連立が動き始めた瞬間だった。翌10日に公明は連立離脱を表明。高市氏の想定とは異なる政権の形だったが、「急ごしらえ」の協議が始まった。

毎日新聞

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