高市政権でどうなるコメ政策? 鈴木憲和農相「需要を丁寧に把握」

2025/10/24 07:30 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 高市早苗政権が発足した。米価の高止まりが続く中、今後の農政はどう変わるのか。鈴木憲和農相(43)に聞いた。

 ――石破茂前政権でカジを切ったコメの増産方針は見直すのか。

 ◆我々は長い間、供給過剰による米価暴落に危機感を抱いてきた。今年は増産によって店頭にコメが並んでいるが、来年も需要が伸びて増産とはならない。ただ、中長期で見れば海外への輸出で大きなマーケットができる。そうなれば増産の方向に向かっていく。

 ――価格高騰の背景となったコメ不足への対策は。

 ◆今回のような事態を二度と招かないよう、需要の丁寧な把握に取り組みたい。農林水産省が出してきた需給見通しは全体の数字だが、コメにはさまざまな価格帯がある。食べ盛りの子供がいる世帯が高いコメを毎日買うことはない。各価格帯の需要も分析し、生産を合わせていければ。

 ――小泉進次郎前農相が立ち上げたコメ不足対策チームはどうするのか。

 ◆チームを作った目的は随意契約での備蓄米放出でスピード感を重視したためだ。年内には放出という役割を終え、解散することになるだろう。

 ――植物工場などの投資を増やす方針を示しているが、コストなど課題がある。

 ◆高市(早苗)首相もこだわりがある。災害リスクを減らし、食糧供給を安定させる政策だ。初期投資が大きく、大成功を収めたモデルもほとんどないのも現実だが、ある種の植物工場であるビニールハウスで、日本の技術はすごい。産業技術を集めれば植物工場を海外に売ることもできると思う。【聞き手・渡辺暢】

毎日新聞

政治

政治一覧>

写真ニュース