橘衆院法制局長が退任 立法支えた「知恵袋」 与野党から惜しむ声

2025/12/18 08:40 

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 衆院の橘幸信法制局長(68)は17日の衆院本会議で辞職を申し出、同日付で退任した。法制局トップとして議員立法作成に携わってきたほか、憲法論議でも中心的な役割を担ってきた。国会議員の立法活動を支えた「知恵袋」の退任に、与野党から惜しむ声が聞かれた。

 橘氏は東大法学部卒で1982年に衆院法制局に入局。法制次長などを歴任し、2017年12月に法制局長に就任した。

 特筆されるのは憲法改正論議に長年携わってきたことだ。00年に衆院憲法調査会が設置されると、初代会長の故中山太郎氏の信頼を得て、事務局などで一貫して関わった。07年成立の憲法改正国民投票法も法案作りや与野党協議を支えた。

 国会議員の意向を踏まえた立法作業で与野党からの信頼は厚く、17日閉会の臨時国会でも衆院議員定数削減法案の策定作業に関わった。衆院本会議で橘氏の退任が諮られると、議場ではこの日一番の拍手が起きた。また、同日の衆院憲法審査会後には、多くの与野党議員が列をなして橘氏の労をねぎらった。中には「まだまだ助けてほしい」との声も聞かれた。

 後任には笠井真一法制次長が17日付で法制局長に就いた。【森口沙織】

毎日新聞

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