大分火災は「全国の縮図」 木造密集地の防災、市長が国に要望の考え

2025/12/18 20:00 

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 大分市佐賀関の大規模火災から1カ月となった18日、大分市の足立信也市長は記者会見で、今回の被災地のように人口減少が進む木造住宅密集地について「全国至るところにある縮図。地方自治体に任せられると、中心部と対策の格差が生じる」と述べ、防災対策に国の立法措置や財政支援が必要との見解を示した。

 11月18日夕に発生した火災では、佐賀関田中地区の住宅街で建物180棟以上が焼けた。細い路地が入り組む木造家屋の密集地で強風が吹き、消火活動が難航したことが広範囲に延焼した原因と指摘されている。市が2007年と17年に策定した防災計画では、そういった地区の特徴と延焼の危険性を認識していたが、財源や人手不足を理由に道路拡張などの対策が後回しになっていた。

 また、足立市長はこの日の会見で、住宅を自力で再建するのが難しい被災者が一定数いるとして、集合住宅タイプの復興市営住宅を建設する方針を示した。田中地区の住宅街に近い高台のテニスコート跡地を建設予定地に想定し、住民のニーズを調査して戸数を決定する。2年以内に入居を目指すという。【山口泰輝】

毎日新聞

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