三重 大雨で浸水の駐車場が破産手続き開始申し立て 負債2.5億円

2025/12/18 17:30 

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 大雨で浸水した三重県四日市市中心部の大型地下駐車場「くすの木パーキング」を経営、管理運営する第三セクター会社「ディア四日市」は18日、破産手続き開始を津地裁四日市支部へ17日に申し立てたと発表した。早期復旧を目指す四日市市が駐車場を取得するための協議を同社と続けていたが、開始決定されれば破産管財人との協議に移行する。

 市は開会中の市議会11月定例会に駐車場取得議案の提出を目指していたが、申し立てを受けて提出を見送ることを決めた。森智広市長は「駐車場を公共工事として復旧させるため、速やかに破産管財人に協議を申し出る予定だ。引き続き早期復旧に向けて取り組む」とのコメントを出した。

 ディア四日市は1993年、四日市市や中小企業基盤整備機構、民間企業などの出資で設立された。資本金1億円。同社によると負債は市や県などの約2億5000万円。水害前は役員と従業員が計17人いたが、被災後に従業員を解雇し、現在は役員3人だけだ。駐車場閉鎖で収入がなくなり、役員報酬も支払われていないという。

 同社は、市へ駐車場を売却した後に破産手続き開始を申し立てた場合、売買契約が認められなくなる恐れがあると、現段階で申し立てた理由を説明している。被災車両の所有者には、今後の方針が決まった際に破産管財人が連絡するとしている。

 一方、市中心部で国が整備中のバスターミナル「バスタ四日市」の維持管理・運営について、ディア四日市を代表企業とする共同事業体「バスタ四日市パートナーズ」が優先交渉権者に選定され、国と基本協定を締結している。ディア四日市が破産開始決定を申し立てたことで、バスタ四日市の管理・運営をどこが担うのか不透明になった。【荒川基従】

毎日新聞

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